――人は誰でも孤独なものだ。
AC2677.シュ
ヴォーツ・トライスター
――21世紀、東京、野●家。
「ただいま〜」
いつも通りネコと遊んできたド●えもん。
笑顔でいつもの部屋――2階に上がると、
静かなる泉のごとき表情のの
●太が待ち構えていた。
「も〜、の●太くん聞いてよ〜。 ミィちゃんったらねぇ――」
いつも通りノロケ話を始めるド●えもん。
しかし、の●太は表情1つ変えずに、端的に切り出した。
「……ド●えもん」
「? どうしたの、の●太くん?」
いつもと違う雰囲気のの●太に、首を傾げるド●えもん。
そんなド●えもんのこと等まるで意に介さずに、の●太は話を続けた。
「話がある」
「ど、どうしたんだい、の●太くん? そんな改まっちゃって……」
「お前には失望した。 後は俺の好きにさせてもらうぞ」
「えぇぇッ!!? ど、どうゆうことなんだい、の●太くん!?」
驚愕に眼を剥くド●えもん。
それでも、の●太は淡々と話し続けていく。
「まったく……未来の世界から
ネコ型ロボットが来るってゆうから、
猫耳美少女アンドロイドを期待してたのに。
来たのはお前だ。
猫耳もない。 胸もない。 ましてや女ですらない」
「そ、それは……」
初めての●太の気持ちと
その隠された趣味(性癖)を
打ち明けられ、戸惑いを隠せないド●えもん。
その反応が引き金となり、突如堰を切ったようにの●太の感情が爆発する。
「なんで……なんでお前なんだよ!
そこは
未来から来た超絶美少女との
甘く切ない同居生活のスタートだろうが!
そして
幼馴染の女の子から嫉妬されて……。
猫耳の未来美少女と幼馴染で俺のこと取り合ったりして、俺が
『や、やめてよ2人とも〜』って情けない顔して言う。
……そんな展開になるべきだろうが!!!」
「そ、そんなこと言ったって……僕達、連載開始したときは、まだ
萌えな
んて無かったし……」
「
黙れぇぇぇぇぇッ!! そんな屁理屈はいらん!!!」
「の…の●太くん……」
「
可哀想なものを見るような眼をするなああ
あぁぁぁぁぁッ!!!!」
そのとき、ド●えもんの未来携帯電話が鳴り出した。
「……はい、ド●えもんです」
『お兄ちゃん! 聞いて! 今大変なことになっちゃってるの!』
ド●ミだった。なにやら切羽詰った声である。
「落ち着いて。 一体どうしたの?」
兄らしく妹を嗜めるド●えもん。
しかし次のド●ミの言葉で、彼の世界は暗転する。
『
セ●シさんの存在確率が激減しちゃったの!
このままじゃセ●シさん消滅しちゃう!!』
「
な、何だってえええぇぇぇぇぇえぇぇぇぇッ!!!?」
……ニヤリ。 そん
な擬音が聞こえてきそうなほど、の●太の口元が歪んだ。
直後、の●太はひどく歪な笑みを浮かべ哄笑した。
「
くくくく……ふははは……! はぁーっ
はっはっはっはっはっはっ!!!!」
「
の、の●太くん……!」
――To Be Continued...